いつ違えたのだろうか…
そんな事考えたってもう、遅い。


最初に政宗にあった頃はまだ政宗ではなく梵天丸だった。それが気付けばいつの間にか元服して政宗となっていて、いつの間にか奥州を統一した一国の領主となっていた。
そして『奥州筆頭伊達政宗』『独眼竜伊達政宗』と日の本に名を轟かせていた。 昔はいつも一緒に居た。政宗の母、義姫様に毒を盛られて生死を彷徨った時も、暗殺されかけた時も。どんな時もいつも私は政宗といた。そしてこれからも永遠とそれが続くと思っていた。
何故自分はそんな事を思ったのだろうか…自分の愚かさを呪った。それを知ったのはつい最近だ。

「田村が娘、愛姫に御座います。どうぞ政宗様、よしなに」

愛姫と名乗った人はもうすぐ政宗様の正室となられるお方。明日にでも婚儀は行われるとか、…それ程までにも仲睦まじくなったのか?そう思った。



そして婚儀の日、私はいつもより早く起き、婚儀の準備を手伝っていた(侍女が大変そうだったから)あまり気分が乗らなかったが(何故だか分からないが)政宗の為にと思いせっせと励んだ
一通り準備が終わった後、政宗様を起こしに行った(日課なのだ)…それもきっと今日で最後なのだろう…。そんな事を思うと凄い胸がしめつけらるような感じがした。

「政宗ー起き…」

私の言葉は途中で切れた。無理も無い。そこにはとっくに起きて着替えた政宗と…何故だか愛姫が仲睦まじく話していたからだ。

「Good morning

彼は何事も無いかのように挨拶をしてきた。

「おはよう、政宗。」

私はそうかえした(極普通だが)それを愛姫はもの珍しい顔で見ていた。

「政宗様、この方は?」

凛とした声だった。透き通るような綺麗な声、誰もが聞き惚けてしまいそうな程に。

「あぁ…コイツは俺の幼馴染みたいな奴だ。愛も仲良くしてやってくれ」



ドクン


私は“幼馴染”という言葉に酷く胸を締め付けられる。そんな優しい声は聴いた事ない、そんな優しそうな顔見たことない、そんなの、


政宗じゃない。


それから後、何を話したか覚えてない。気付けば婚儀の席に居て、座っている場所は家臣達と同じ場所。政宗の隣には私ではなく愛姫が居た。
本当は私が其処に座りたかった。

そう思って初めて自分の気持ちに気付いた。今までのモヤモヤした気持ちも全てこのせいだったのか…。でも…

今更気付いたって、もう、遅い。
(もっと早く貴方が好きだと気付いていたら何か変わったのかしら?)





070616
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送