私は奥州のとある茶屋で働く只の町娘で貴方はこの奥州を束ねる領主様。だからこの思いを伝える事は許されないのです…。


「Hey,honey!いつもの頼むぜ!」

「“はぁにぃ”じゃなくて“”ですって何度言えば分かるんですか?」

「sorry,sorry」

「もぉー…私には異国語など解せませんって何度も言ってるじゃないですか…。もう良いです!政宗様には何言っても無駄なんでしょうし!いつもの場所に座って待ってて下さい。お持ちしますから」


私の家は茶屋を営んでいる。
私は所謂看板娘というやつで、父さんと母さんを手伝っている。そしてとある日、彼はやって来たんだ。そして、何の気紛れか週に一度はやってきて私を呼ぶのだ。お陰ですっかり親達は政宗様が来れば私が相手をする様に、他の人は後回しで政宗様を優先しなさいと言うのだ。
最初は嫌々だった。だけど私は知らない内に彼に…政宗様に恋をしてしまったんだ…。


「はい、お持ちしましたよ政宗様」

「Oh...Thank you,ありがとな」

「いえいえ、これが仕事ですから」

「相変わらずお堅いねー」

「当たり前です!政宗様はお客様で、この奥州の領主様なのですから…!でも、疑問です。」

「Ahー,何がだ?」

「こんな所に来るよりも、お城の茶の方が格別に美味しいと思うのですが…」


そう、確かに我が家の茶屋は城下町一と言っても良い程、人気もあるし胸を張って言える程自信があるのだが、それは城下町などに住む人たちにだけで、とても一国の領主様を満足させる様な茶葉などを使っている訳ではないのだ。だから不思議でしょうがなかったのだ。

「Ha!んなモン決まってるじぇねぇか」

「何でしょう?」

「アンタの事が気に入った…惚れたんだよ」

「まぁ、政宗様冗談がお上手ですね」


驚いた…。そして同時に喜びが体中に駆け巡った…。だけど、言えない。言ってはならないのだ。 相手は一国の領主、かたや私は只の城下町に住むしがない町娘。身分が違いすぎるのだ。言える筈が無い。 私は政宗様から顔を逸らした。

「嘘じゃねぇ、嘘だと思うなら俺を見な。Look at me!」

ぐいっと顔を政宗様の方に向けられる。
鋭い隻眼が私を射抜く…。本当の事を言えたらどれだけ楽だろうか…

「アンタは俺の事、どう思ってるんだ?国の領主として、じゃなく一人の男として、だ。」

「……」

「どう思う?」

「……どう、思って……るんでしょう……ね?」

私は自分の気持ちに逆らえず、そうやって曖昧に答えるのが精一杯だった。


Fuzzy

(そう言ってられるのも今の内だぜ?俺なしじゃ生けてけねぇ様にしてやるよhoney)

(…もうとっくになってますよ!)


070625
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