「お前は一体何本食べんだよ?」

「あとざと20本でござるかなー」

「おいおい、30本も食べ終えてまだ食べんのかよ」


そんな会話をしたのが懐かしい。
あの時のアイツは笑いながら美味しそうに団子を頬張っていた


なのに

今のアイツは俺の中で息を絶えようとしている
そこにあのときの笑顔は、無い


「幸村ッ死ぬな…!」

「某…は、死なない…で…ござ…るよ」

「………」

今にも消えそうな声。
俺は何も出来ず只、抱きしめることしか出来ない。
あぁ、なんて無力なんだ。

「ま…さ宗殿……」

「何だァ?」

「某は、………政宗殿と……であ、えて…しあわ…」

そこで幸村声は途絶える。
広がる沈黙、それが幸村の死を肯定させるみたいだった。


「Shit!」


幸村、幸村、幸村。
何度呼んでも返ってこない。

いつも俺の大切なモノはこの手から滑り落ちる。

只俺はこの世に生をもう受けていない幸村は抱きしめ
只声を殺して涙を流すことしか出来ないのだ


これが幻ならどんなに良いだろうか


20070603 真田幸村追悼

どうかその御魂は安らかに





 
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